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熱中症とは
夏の暑さや、湿度の高い環境、火を使うところでの作業、運動などによって、体温が上昇し、調節できなくなった状態を言います。
熱中症の症状は、屋外だけでなく、室内でも発生しますので注意が必要です。体温が上昇する原因は、体内の水分が少なくなり脱水症状になった場合と、汗が体表面から蒸発しない為に体温調整ができなくなった場合に発生します。
脱水症状の原因は、運動することにより、水分が少なくなったにもかかわらず、水分補給をしなかった場合や、日常生活において定期的な水分補給をしないために、知らず知らずのうちにに水分がすくなくなった場合に発生します。
一方で、汗が体表面から蒸発しない為起こる熱中症の原因は、外気温や室温が体温以上ある場合と、湿度が高い場合です。
外気温や室温が、体温以上あると、温度は、高い方から低い方に伝達していきますので、体温が上昇していきます。そうしますと、体温を下げるために、からだは、毛細血管を拡げ、放熱し温度を下げようとします。
それでも温度が下がらないと、汗をかき蒸発さす事により、体表面の熱を奪い体温を下げようとします。しかし、汗を蒸発させるためには、体表面に風の流れがないと蒸発させることが出来ませんので風がないと体温はどんどん上昇してゆきます。
もうひとつは、湿度が高い場合です。湿度が高いと、気温が低くとも熱中症を発生する可能性があります。たとえば、気温が26℃でも、湿度が50%以上になると熱中症に注意が必要です。
28℃になりますと湿度に関係なく熱中症に注意が必要になります。湿度が、85%以上になりますと、特に注意が必要になり、30℃なりますと、湿度90%で危険な状態になります。
もちろん、屋外での熱中症もありますが、室内でも発生しますので注意が必要です。特にお年寄りは、暑さに対する感覚が鈍くなってきておりますので、温度計と湿度計を常備し、絶えず確認できるようにしておき、対策をとることが大事になってきます。
熱中症の症状
熱中症になりますと、どのような症状になるのでしょうか。熱中症は、1つの症状ではなく、いろんな症状の総称を言います。
熱中症の色々な症状
めまいや顔のほてり、冷や汗、一過性の意識障害などの症状が出るのが熱失神の症状です。熱を逃がそうとして毛細血管が広がり、血流がそこに集中するために、脳への血流が減り酸素不足になり、意識障害などを起こします。
手足のけいれんや、筋肉痛、足がつるなどの症状が出るのが熱けいれんと言われる症状です。この症状は、水分補給だけして、塩分補給しないと塩分濃度が低下するためにおこる症状です。
全身の倦怠感や、吐き気、嘔吐、頭痛などの症状は、多くの汗をかいているのにもかかわらず、水分補給が出来ない為に起こる症状が、熱疲労と言われる症状です。
汗が出ない場合や、逆に汗が止まらない場合、意識障害のある場合、全身の臓器の障害が起こった場合は、熱射病と言われる一番重い症状です。体温も40度以上になり、生命の危険があります。
熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病の総称が熱中症といわれるものです。今では、熱中症の分類は、Ⅰ度(軽度)、Ⅱ度(中等度) 、Ⅲ度(重度) で分類され、Ⅰ度(軽度)は熱失神と熱けいれんで、Ⅱ度(中等度)は熱疲労、Ⅲ度(重度)は熱射病のことです。
熱中症になってしまったら、Ⅰ度(軽度)の熱失神と熱けいれんの段階で治療すると早く回復しますので、周りの人たちも気をつけて、早く発見してあげる必要があります。
熱中症と日射病の違い
日射病も熱中症の一部で、日光によって熱射病になったものが日射病ですが、熱中症の区分ではありません。
熱中症の予防
屋外での熱中症の予防
気温が35℃以上の場合は、活動は控えてください。
気温が31℃~34℃は、激しい運動は、控えてください。運動する場合には、頻繁に休息を取りましょう。水分と塩分の補給を行いましょう。
気温が28℃~30℃は、30分おきくらいに休息を取りましょう。水分と塩分の補給を行いましょう。
気温が24℃~27℃は、運動の合間に積極的に水分と塩分を補給しましょう。
気温が24℃未満の場合は、適宜水分と塩分を補給しましょう。
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屋内での熱中症の予防
屋内では、無理をせずエアコンを使用しましょう。節電しようとして、我慢しないでください。
部屋の温度は、28℃が推奨ですが、それでも暑いと感じたら、あまりこの温度にこだわらず、涼しく感じる温度に設定してください。25℃以下ならほぼ熱中症になることはありませんが、絶対発症しないということではありません。
どのような場合でも、水分補給は忘れないでくださいね。
熱中症にかかったら
体調に変化があれば、すぐに近くにいる人に助けを求めましょう。
体調の変化のシグナルは、めまいや顔のほてり、冷や汗、手足のけいれんや、筋肉痛、足がつる、吐き気、嘔吐、頭痛などの症状です。
ためらわずに、人に助けを求めましょう。
また、近くの人も、見つけたらすぐ、応急処置をし、救急車を呼びましょう。
応急処置は、涼しい場所に移動し、服を緩めてあげましょう。身体を冷やし、水が飲めるようなら、水分を与えてください。