ダイヤモンドのお手入れ法は、ダイヤモンドを知ることから始まります。
とくに、弱い面について見ていきましょう。
目次
ダイヤモンドって割れることがあるの?
ダイヤモンドの硬さは、最高クラスの硬さであることは、間違いありません。しかし、硬いからと言って割れることはないのでしようか。
硬さを測定するには主に3種類の測定方法があります。摩擦やひっかき傷に対する強さを測定するモース硬度と、押込み硬さのヌープ硬度、同じく押込み硬さのビッカース硬さがあります。
モース硬度
モース硬度は、摩擦やひっかき傷に対する強さの指標で、10が最も硬く、1から10に区分されています。
10 ダイヤモンド(金剛石) 地球上の鉱物の中で最も硬い
9 サファイア、ルビー(鋼玉) 石英にもトパーズにも傷をつけることができる
8 トパーズ(黄玉) こすりあわせると石英に傷をつけることができる
7 石英 こすりあわせるとガラスや鋼鉄、銅などに傷がつく
ヌープ硬度
ヌープ硬度は、押込み硬さを表したものです。
8500 ダイヤモンド(金剛石)
2000 サファイア、ルビー(鋼玉)
1500 トパーズ(黄玉)
ビッカース硬さ
ビッカース硬さは、同じく押込み硬さを表したものですが、主に金属の硬さを表すのに用いられ、宝石にはあまり用いられません。
参考
7140~15300 ダイヤモンド
2350 炭化ケイ素(SiC、セラミックス)
2300 サファイア(Al2O3)
2300 サファイアガラス
1700~2050 超硬合金
1650 サーメット (セラミックスと金属を結合させたもの)
1103 石英(水晶)
いずれも、ダイヤモンドがダントツに硬いですね。弱点なんてあるのでしょうか。
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ダイヤモンドの弱点
モース硬度やヌープ硬度などは、いづれも摩擦や、圧力をゆっくりかけた場合の硬度で、衝撃を加えた圧力ではありません。
そのような条件下では、ダイヤモンドは、強度を発揮します。しかし、気を付けなければならないのが、衝撃です。
ダイヤモンドは、靱性(じんせい)や、劈開(へきかい)の性質があります。
靱性(じんせい)について
靱性(じんせい)とは、簡単に言うと粘り強さの事です。衝撃を与えた時の割れや欠けに対する抵抗力のことを言います。
靱性(じんせい)で評価しますと、ダイヤモンドは、サファイアやルビーよりも劣ります。衝撃に対しては弱く、ハンマーでたたくと粉々になってしまいます。
なぜ、ダイヤモンドは、衝撃に弱いのでしょうか。それは、ダイヤモンドの構造にあります。
劈開(へきかい)について
劈開(へきかい)とは、一定の面に沿って割れやすい性質の事です、ダイヤモンドは、結晶の方向によっては、衝撃を加えれば、簡単に割れてしまいます。
これが、ダイヤモンドの弱点なのです。しかし、この劈開(へきかい)の性質がなければ、原石のカットをすることができないので、長所でもあるわけです。
ダイヤモンドは燃え尽きてしまう?
ダイヤモンドは、800℃で炭化してしまいます。原料が炭素のため、当然といえば当然ですが、想像がつかないですね。
ガスコンロの炎が平均1000℃といわれていますし、仮に火事になるとそれ以上の温度になりますので、取り扱いや、保管方法をしっかりしておかないと大変なことになります。最終的には、二酸化炭素になり消滅してしまいます。
衝撃と、熱には弱いということがわかりましたが、このほかに弱点は無いのでしょうか。
ダイヤモンドっていつまでも同じ輝きなの?
ダイヤモンドは、よく永遠の輝きと言われますが、本当にそうなんでしょうか。
親油性について
ダイヤモンドは、油になじみやすい性質があります。
そのために、長年使用していますと、皮脂が付着して輝きがなくなってきます。ですのでメンテナンスをしないと永遠に輝き続けることはできません。
これが三つ目の弱点なんです。
しかし、メンテナンスをしますとまた、もとの輝きが復活しますので安心してくださいね。
それ以外も、弱点はありますのでご紹介しておきます。
その他の弱点
ダイヤモンドにフェザーが入っている場合
表面にまで達する非常に小さなヒビがあるダイヤモンドがあります。このヒビの総称をフェザーと言います。
フェザーが入っている場合は、さらに衝撃に弱くなりますので、お手入れには注意が必要です。
フラクチャー(割れ)充填処理されている場合
フラクチャー(割れ)が入っている場合、ダイアモンドに近い屈折率をもつガラス質の物質で満たした処理をすることがあります。
この場合も、耐久性に問題が出る場合がありますので、この場合も、お手入れには注意が必要です。
ダイヤモンドの輝きを保つお手入れ法
外観上一番気になるのが、全体的に曇りダイヤモンドのかがやきがなくなってしまうことですね。
かがやきがなくなる原因は、皮脂が付着するために発生することがほとんどです。
この場合のお手入れは、中性洗剤で洗ってください。曇りがなくなりかがやきが戻ります。
水だけでは、はじいてしまって曇りは取れません。
中性洗剤で洗ったあとは、ぬるま湯ですすぎ、キッチンペーパーで水分を拭き取り、ドライヤーで軽く乾かします。
そうすれば、ダイヤモンドのかがやきが戻ります。
ダイヤモンドの輝きを保つお手入れの注意点
ダイヤモンドを手入れする時の取り扱いは、慎重にしてください。
衝撃を加えると、靱性(じんせい)や、劈開(へきかい)の性質がありますので、かけたり割れたりします。
ダイヤモンドにフェザーが入っている場合や、フラクチャー(割れ)充填処理されている場合は、超音波洗浄器の使用に注意して、あまり長い時間かけないようにしてください。
日常のお手入れが大切です!
身に付けた後は、必ずふき取りましょう!